箱娘プロジェクトは,デジタルサイネージ付きIoTごみ箱です.

ごみ捨てを楽しく,ごみ回収もスマートに,というコンセプトのゴミ箱です.

ごみを捨てると画面上のキャラクターがアクションをしてくれます.ゴミを入れることで楽しいという体験を与えることで,ポイ捨ての抑止を狙います.

また,ゴミ箱には容量センサが付いており,インターネット上で確認できます.ゴミがいっぱいになりそうになると通知を飛ばすので,ごみ回収を効率的に行うことができます.

画面にはコマーシャルを流すことができます.これでゴミの回収費をまかないつつ,利益を出します.

このプロダクトは「UECものづくりコンテスト2019」で観客賞をいただいたものです.しかし,このときは僕は開発にはまだ参加していませんでした.

ものづくりコンテスト終了後,成果発表会までにさらに開発したいということで誘われました.リーダーはハードウェアが得意,もうひとりはウェブのフロントエンドが得意.そこにデザイナーを加えて3人のチームでした.デジタルサイネージ部分を頼まれ,楽しそうだったので参加しました.

ハードウェアにはTinkerBoardというものを使いました.Arduinoではちょっとパワーがありませんでした.ごみの量やごみ箱の位置などを確認できるウェブ側のフロントエンドにはVue.jsとGCPなどを使っていました.

僕が担当したデジタルサイネージ部分はAndroidにUnityで作ったアプリの画面を写すことにしました.Unityを触るのは初めてだったため,手探り状態で進めたことを覚えています.成果発表会では,ごみを入れるとUnityちゃんが動くところまでを作りました.かなり立派な筐体はリーダーが自費で作りました.

2019年の12月に電通大で「GDG Devfest Tokyo 2019」というイベントが開催されることになりました.GDGとはGoogleとGoogleの製品を使っているエンジニアのコミュニティーで,AndroidやGCPを使っている箱娘を展示させてもらいました.

せっかくGoogle系のイベントなので,Unityちゃんの代わりにドロイド君に登場してもらうことにしました.

背景動画にはスポンサーロゴとイベント情報を出しつつ,ごみが捨てられたときだけドロイド君が出現するようにしました.キャラクターがずっと画面上にいると後ろの画面が隠れてしまうからです.しかし,キャラクターがいないと興味を引くことができないので,それはそれで問題でした.

デモ機はたくさん作った.
体験してもらうため,ペットボトル以外のごみも入れてもらった.あとで分別するのが大変だった(泣)

展示では,たくさんの人に見ていただき,アドバイスもたくさんもらいました.

この後,秋葉原の商店街に協力していただき,開発費を頂きながら街中に置く予定だったのですが…御存知の通り,このあとコロナウルスのパンデミックが発生し,その話も立ち消えになってしまいました.メンバー全員,かなり本気で開発していいところまで行っていたので,どこかで再チャレンジできたらいいなと思っています.